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原罪

2005/12/26

あなたもわたしと同じのはずだ。
苦しくて、止めようと思うこともあるのだろう、それはあってもいいことだ時々ならそれを許そう。
だけど、結局捨てられないことを知っているくせに、諦めたふりなんて止めればいいのに。
夜眠る前に感じる、自分の限界に対しての不安だとか、もう遅いのではないかという時間脅迫だとか、 付きまとうそれらは尽きやしない、果てやしないよ、残酷なわたしが保証してあげる。
嫉妬も羨望も後悔も絶望も、不安も恐怖も矛盾も理不尽さえも、全て、あなたは感じるだろう。
逃げるために、自らを途絶えさせてしまえば楽になるのだろう、それは確かだ。
だけど、捨てた先の、その後の余りに永い平穏な時間を思えば絶望するくせに、 首を絞めて心臓を刺して完全に息の根を止めることもできないくせに、楽しい思い出反芻してしまうくせに。
逃げた先が苦しいことを知っているのでしょう?
そうやって諦めたふりをして楽になるはずもないでしょう?
体の芯に力が沸いてくる快感を覚えているでしょう?
すばらしく自分に都合の良い未来を思い描いた記憶があるでしょう?
あなたが心の底からそう思うのなら止めやしない、でも、そうではないでしょう?
どうしようもない。仕方ないね、そういう風にあなたは組みあがっている。残念でした。
そう生まれついた自らを呪え。苦しめ。わたしはあなたの幸福を祈っている。