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骨に風

2005/4/22

春の、何もかもに新しさをもたらす、あの風が、わたしも、わたしの身体をも掠めて通り過ぎていく。
けれどもこれは正しくない風だ。わたしはちっとも新しくないし、この風にはふさわしくない。
間違った色の薬を浴びたように、わたしの身体が解け始めている。
痛みなく音もなく、土の匂いと共にわたしの身体が春に香る。
ふさわしくない風を受けて、わたしの肉が、腐り、朽ち、落ち、香る。なおも風。止むことなく。

十二ヶ月もの間、いったいわたしは何をしてきたのだろう。
誰か、教えてくれれば良かったのに。あなたは既に腐り始めているのだ、と。