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東京空間

2004/4/4

そこには、確かにすべてある。
甘いものも酸っぱいものも、辛いものも苦いものも、全部。
けれど、自分のものになるのはそのうちのほんの少しだけ。
だから、寂しい。
雲の中のように、バニラエッセンスのように、外から見た輝きはここにあるはずなのに、
手のひらには一握り、ひとかけら、カップ一杯。たったそれだけ。

だんだんわからなくなる。何が欲しいのか、どこまで欲しいのか。
空中で止まってしまったスパゲティのように、全部にせものだったのか。
違う、そうじゃないと思いながら、わたしは今日も探している。

東京とインターネットの違いなんて、ほんの少し。
あるのかないのか、誰にもわからないくらいにしか、ない。