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造花

2004/3/1

遠くからでは、それが造花なのか本物なのかわからなかった。
造花かもしれないと疑ったのは、そこには屋根があったからだ。
人の手による、命のないにせもの。造花。
近寄ってよく見てみれば、それは葉の一部が枯れていた。紛れもなく、本物。
わたしは気付いてしまった。偽物と本物の違いなんて、枯れるか枯れないかだけ。
よい意味か悪い意味かによって、腐敗と呼ばれたり生長と呼ばれたりするけれど、要するに変化。

わたしは少し、自分を好きになった。
枯れることができるのは、本物だけなのだから。