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儀式

2003/9/19

何度も着て、洗い、日に晒されたお気に入りの服。
何を悩んでいた頃買った服か、よく覚えている。
この服をわたしは二度と着ることはないだろう。
同一のものと言う意味においては勿論、同種のものと言う意味においても。

その思いが心に満ちた時、わたしは右手にはさみを握っていた。

切り刻まれたそれらを見て、わたしはやっと言えた。
今までありがとう。さよなら。