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非難

2003/7/16

 何かを非難するのに快感を覚えるのは、相対的に自分が優れている気がするからで、けれどもそんな手段でしか自分を肯定できない者は決して優れてなんていない。そのことに気付いた時には、もうぼろぼろだった。わたしも友達も。
 その後一切非難することを止めたわたしに「それはおかしい」と言ったのは、わたしがめいっぱい傷つけてしまった友その人だった。「おかしいから非難する。非難することそのものが目的なら、少なくともその非難は自分を貶めない」と。そう言う友の顔を見て、わたしは純粋に嬉しくなった。あんなにもひどいことをしたわたしを、それでも見捨てないでいてくれる友は、なんてすごい人なんだろう。そしてそんな人と友達でいられるわたしは、自らを誇らしく思えた。他を非難しない自らの肯定の仕方を、わたしはやっと実感できたのだった。